サービスデザインと説明可能性

プロジェクト概要と問題

ストライプインターナショナル社の展開するファッションレンタルアプリ「メチャカリ」を「earth music & ecology」店頭で勧めるためのコミュニケーションを設計した。当初店員はショップ店頭でアプリを勧めることを奨励されていたが,洋服を買いにきた客にとって「洋服のレンタルを勧められる」ことは整合性がなく,接客のハードルは極めて高かった。

目的とアプローチ

「店頭における接客において,店員がメチャカリを勧めやすくこと」を目的としてコミュニケーションを構築する。エスノメソドロジーにおける「説明可能性」の概念をデザインに応用することを試みる。

理論

説明可能性とは「行為が実践の外部で規定された手順に盲目的に従ってなされるのではなく,行為が実践の中でその都度,その場の人々にとって理解可能なようになされるという性質」を指す。クリーニング店でのオプション提案の研究1) では,シミ抜きオプションが客に不信感を植え付けず受け入れられるプロセスを会話分析に基づき検証している。本来思いがけない提案としてのシミ抜きサービスは,店員が品を触り点検し,品についた汗やシミを指摘して(=自らの行為に「説明可能性」を付与しながら)客に提案されることにより,受け入れられやすくなることが示された。

サービスが社会に受容されるためには,サービスをユーザーにわかりやすく伝達する認知的なアプローチでは限界があり,コミュニケーションが発生する具体的な場面における「自然なやりとり」として価値が伝達されることが重要であると考えられる。

参考文献 1)「ルーチンの達成における説明可能性:クリーニング店のオプション提案の会話分析」(2015, 山内裕, 平本毅, 泉博子, 張承姫)

 

デザインプロセスと結果

 

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